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UNIXアプリケーションの価値を最大限に引き出す次世代のPC Xサーバ


技術的に成熟したPC Xサーバには、さまざまな制限が表れ始めています。サーバ統合、仮想化、グリーンコンピューティング、信頼できるリモートアクセス、地理的に離れた従業員同士のコラボレーションの強化など、最新のITイニシアチブやビジネスイニシアチブは、従来のPC Xサーバが提供していない新しい機能の必要性を増大させています。




PC Xサーバの仕事は、WindowsデスクトップとUNIXアプリケーションの連動です。UNIX OSを実行するサーバはこれまで、ビジネスを促進するアプリケーションをホストしてきました。株式市場を監視する金融アプリケーション、地質調査のグラフを表示する石油探査アプリケーション、複雑なサーキットのレイアウト機能やテスト機能を装備した設計アプリケーションなどがこれに該当します。UNIXプラットフォームは、これらのアプリケーションに必要な堅牢性とスケーラビリティを備えています。

次世代のPC Xサーバは、UNIXアプリケーションの価値を最大限に引き出し、ビジネスの価値を高めることができます。また、リモート、分散型、コラボレーションという特徴を持つ現在のビジネス環境をサポートする機能も提供します。このホワイトペーパーでは、ビジネスクリティカルな機能を詳しく説明します。最後のセクションでは、Micro Focusの次世代PC Xサーバが提供する機能をまとめた図を示しています。



従来のPC Xサーバの接続

複数のステークホルダー、多くのニーズ

UNIXアプリケーションにはさまざまな種類が存在します。グラフィックを使用していない、文字ベースの初期アプリケーションは、VT端末エミュレーションソフトウェアからアクセスします。より新しい時代のアプリケーションは、UNIXサーバ上で動作するWebサーバにホストされ、唯一必要なのはユーザデスクトップのWebブラウザだけです。また、リッチなグラフィックと使いやすい機能を備えたビジネスクリティカルなアプリケーションも数多くあります。これらのアプリケーションは、元々はX端末からアクセスしていましたが、現在はPC Xサーバ経由でデスクトップからアクセスします。

PC Xサーバ技術の発展によって最も多くのメリットを得るのは、Xウィンドウシステム上に構築されたビジネスクリティカルなUNIXアプリケーションです。その理由は、UNIXサーバを格納するデータセンターの運用を担当するITマネージャ、予算削減に取り組むCIO、モバイル化が進み地理的に離れた場所で仕事をするビジネスユーザなど、こうしたアプリケーションに強い関心を持つステークホルダーに、多くのメリットがあるからです。彼らの課題は次の通りです。

ITマネージャ

サーバ統合、仮想化、グリーンコンピューティングに対応する最新のイニシアチブによって、少数の強力なUNIXサーバを使用するケースが増えています。こうしたイニシアチブを進めることで、物理UNIXシステムを減らし、主要なデータセンターにそれらのシステムを設置しています。

このような場合、地域のUNIXサーバへ接続していたユーザは、PC Xサーバを使用して、離れた場所にあるUNIXサーバ上で動作するアプリケーションにアクセスします。IT部門の観点から言うと、努力する価値のあるメリットがもたらされます。管理や保守対象の物理システムが減り、サーバの利用が最適化され、消費電力も削減できます。

しかし、長期的な成功は、IT部門がアプリケーションの可用性やパフォーマンスを維持できるかどうかで決まります。マルチデスクトップ環境への対応というプレッシャーが高まっていることを考えると特にそうです。ITマネージャは、段階的なOS導入、Linux中心のユーザコミュニティ、従業員のモバイル化に直面しているため、オフィス、外出先、自宅で仕事をするユーザをサポートできるPC Xサーバを必要としています。

CIO (最高情報責任者)

現在のCIOは、IT予算の削減と外部セキュリティ規制を順守する必要性という2つの課題に直面しています。

UNIXアプリケーションの使用寿命を延長したり、ユーザビリティを向上させたりすることでコアアセットを活用することが、既存の予算内で運用する1つの方法です。このため、CIOは、UNIXアプリケーションの使用範囲、ユーザビリティ、可用性を拡大することで、既存のアプリケーションに新しい命を吹き込もうとしています。

データセキュリティ侵害が増え、一般的になっているため、より強力なセキュリティのために予算を確保する必要があります。顧客の財務記録、患者の医療情報、企業の専有データ、ユーザパスワードなどの機密情報を伝送するアプリケーションは、オープンネットワーク上で機密情報をセキュアにやり取りする必要があります。暗号化機能や認証機能が、最新のPC Xサーバには欠かせません。

ビジネスユーザ

ビジネスユーザは、毎日のように生産性の課題に向き合っています。今日のデジタル環境においては、オフィスでプロジェクトを開始し、その後、外出先や自宅から作業を続けることができる機能が不可欠になっています。また、他の場所にいる同僚やパートナと文書やアプリケーションユーザインタフェースをリアルタイムで共有しながら、コラボレーションできる機能も必要です。

こうした要件を満たすため、最新のPC Xサーバは、UNIXアプリケーションへの信頼できるリモートアクセスを提供し、ある場所から別の場所へとアクティブアプリケーションを転送し、UNIXアプリケーションの画面をリアルタイムで表示できなければなりません。

PC Xサーバが、パフォーマンスやユーザビリティを犠牲にすることなく、最新のITイニシアチブやビジネスイニシアチブをサポートすることは必須です。


XクライアントやXディスプレイと通信するコアXサービス

今必要なものは何か

ITマネージャ、CIO、ビジネスユーザのニーズを満たすためには、従来のPC Xサーバにはない新しい機能セットが必要です。求められる新機能は次の通りです。

セキュアなリモートアクセス

企業のイントラネットの外やWAN接続でUNIXアプリケーションにアクセスするユーザは、信頼性の高いアクセスとパフォーマンスを期待します。場所や時間の制約に縛られないセキュアなアクセスを実現するため、ITセキュリティマネージャは、ユーザの認証と、デスクトップとUNIXサーバ間でやり取りする機密情報の暗号化を確実に実行する必要があります。

セッションの持続

ユーザは、UNIXアプリケーションを起動し、長時間使い続けたり、後から別の場所で接続し直したりする機能を求めています。ネットワークエラーやデスクトップ障害が発生した場合、システム回復時にそのアプリケーションを利用できることを知る必要があります。

セッションの転送

ユーザは、オフィスのデスクトップでUNIXアプリケーションを使い、その後別のオフィスや自宅へ移動して別のデスクトップを使用することも頻繁にあります。そのため、中断した作業を再開できる機能が必要です。

セッションの共有

世界各地の同僚と、同じXセッション画面をリアルタイムで同時に見る必要があります。また、プロジェクトについてリアルタイムでコラボレーションすることも必要です。

マルチプラットフォームのサポート

現在のマルチデスクトップ環境では、さまざまなデスクトッププラットフォームとプラットフォームバージョンに対応できるPC Xサーバを導入する必要があります。

次世代の機能を導入すると、ITマネージャ、CIO、ビジネスユーザは、デスクトップの多様性、地理的な距離、ユーザのモバイル化によって生じるパフォーマンスとユーザビリティの問題を解決できます。


問い合わせの再ルーティングとXプロトコル圧縮

現在の要件に対応できない従来のPC Xサーバ

最新のPC Xサーバには大きな仕事があります。従来のPC Xサーバでは対応できない仕事です。

これまでPC Xサーバは、UNIXシステムからグラフィカルアプリケーションを提供する2層モデルで運用されてきました。こうしたPC Xサーバは、デスクトップ上で動作し、UNIXサーバ上で実行されているXクライアントアプリケーションへ直接接続します。そして、Xクライアントは、PC Xサーバへ通信を返します。PC XサーバとXクライアントの間で使用されるプロトコルは、Xプロトコルと呼ばれます。

従来のPC Xサーバは実績があり、信頼できるものの、ユーザが1つのデスクトップと場所を使用する時に最高の性能を発揮します。このようなユーザが必要とするのは、UNIXサーバへの低レイテンシの接続です。しかし、現在のリモートユーザは、柔軟性に乏しい条件に縛られずに仕事をします。データパケットは、高レイテンシのネットワークセグメント経由で複数のネットワークデバイス(ルータ、スイッチ、ブリッジ)を通過する必要があります。大部分のネットワークは、公開され、組織の制御を越えて使用されている場合が多いため、物理的な距離とアプリケーションのパフォーマンスには相関関係があります。

こうした条件に加え、シンプルな2層モデルでは、次の3つの理由から要件を満たすことができません。

  • 1.大容量のパケットボリューム

    XクライアントがPC Xサーバに対して、アプリケーションのグラフィック要素を表示するように指示する時は常に、Xクライアントがデータのパケットを生成します。データパケットは、カーソル操作やボタンのクリックなどのユーザドリブンのイベントによっても生成されます。この処理には、PC XサーバがXクライアントへ通信を返す必要があります。その他、Xクライアントは、ステータスと機能についてPC Xサーバに問い合わせをします。

    このような「問い合わせのみ」の要求は、ネットワーク上に大量のデータパケットを発生させます。さらに、こうしたメッセージの多くは同時に転送されるため、次のメッセージが送信される前に、メッセージを受信し応答する必要があります。

  • 2.大きなパケットサイズ

    Xクライアントが、PC Xサーバに対してステータスや機能に関する問い合わせを送信すると、問い合わせに対する応答メッセージには大量のデータが含まれることが多く、大量のネットワーク転送が発生します。大量のデータメッセージは転送に時間がかかるため、Xアプリケーションの応答性に大きな影響を及ぼす可能性があります。

  • 3.接続の持続

    Xプロコトルは、PC XサーバとXクライアントをホストしているUNIXシステムの間でやり取りされる持続性の高いTCP/IP接続に依存します。意図的または不注意でこの接続が切断されると、再び接続を確立することはできません。Xクライアントは終了し、再起動が必要になります。そのプロセスの中で、データが紛失する可能性もあります。この制約により、アプリケーションを使って作業を開始し、一定の時間それを放置した後で、同じ場所または別の場所で作業を再開することはできません。

    最適化され効率性に優れたXアプリケーションでも、信頼できるリモートアクセスはなかなか実現できません。最新のPC Xサーバは、PC XサーバとXクライアント間のネットワークを通過するデータパケットの数とサイズを減らす必要があります。そして、セッションの持続と信頼できるセッション転送機能を確保するため、従来の2層アーキテクチャを改良しなければなりません。


セッションの持続

ソリューション: 分散アーキテクチャ

最新のPC Xサーバは、複数のシステムに作業を分散する能力が必要です。分散アプローチは、従来のユーザデスクトップ機能の一部を、UNIXサーバと同じ場所に配置されたシステム、またはUNIXサーバ自体に移行します。

このアプローチの焦点は、中間層サービスのセットとしてコアのX機能セットをホストする方法を見つけることです。これらの機能は、UNIXサーバ上で実行されているXクライアント、およびユーザデスクトップ上で実行されているXディスプレイサービスと通信できます。

UNIXサーバ(または別のシステム)上でコアのX機能セットを実行すると、標準以下のXアプリケーションパフォーマンス(離れた場所にあるデスクトップの特徴)を改善し、次の3つの方法で接続を維持できます。

  • 1.問い合わせのみの要求の再ルーティングとパケットボリュームの縮小

    UNIXサーバ(または別のシステム)上で実行されているコアXサービスは、機能やステータスを尋ねるXクライアントからの問い合わせのみの要求に応答します。このため、このような要求やそれに対する応答をデスクトップとUNIXサーバ間で送信する必要はありません。さらに、特定の同期メッセージは、長時間応答を待つ必要がありません。

  • 2.Xプロコトルの圧縮とパケットサイズの縮小

    中間層のコアXサービスとXディスプレイの間で使用されるXプロトコルを圧縮し、長いネットワークパスを通過するパケットサイズを縮小できます。容量の少ないデータパケットは、デスクトップとUNIXサーバ間の伝送時間を短縮します。

  • 3.持続と同期の維持とユーザの生産性の向上

    分散型のコアXサービスを追加し、接続を持続することもできます。XクライアントへTCP/IPで接続し、中間層で実行されているコアXサービスを利用してアクティブ状態を維持できます。この構造によって、ユーザがデスクトップをシャットダウンした場合やシステムクラッシュやネットワーク停止が発生した場合でも、Xクライアントの接続が持続します。

    同様に、中間層のコアXサービスが、デスクトップ上で実行されているXディスプレイの同期コピー(中間層サーバ上にユーザインタフェースを生成しないXサーバセッション)を維持可能にすると、このXディスプレイをデスクトップ上で中断しても、後からもう一度取得できます。中間層に存在するコピーは影響を受けません。

    Xディスプレイの同期コピーは、セッションを最初に開始したデスクトップ以外のデスクトップで作成、表示できます。また、複数のコピーを作成し、複数のデスクトップに同時に配置することもできます。コピーは、中間層のコアXサービスによって同期化されます。


Xクライアントアプリケーションの共有

これらの機能がもたらす膨大なメリット

  • ユーザは、アクティブセッションをそのままにして、後からまた作業を開始できます。
  • あるシステム上で実行しているXセッションをそのままにして離れても、別のOSプラットフォーム上で実行している別のデスクトップから同じセッションを再開できます。
  • 複数のユーザが同一のXセッションに接続でき、ユーザ同士でXクライアントアプリケーションを同時に共有したり、リアルタイムでプロジェクトのコラボレーションを進めたりできます。

従来のPC Xサーバが採用する2層アーキテクチャを再設計することで、現在のITニーズやビジネスニーズを満たす新しい設定を確立できます。プロトコルの圧縮と問い合わせのみの要求の再ルーティングは、信頼できるリモートアクセスやパフォーマンスを提供することによって、サーバ統合やモバイル戦略を支援します。Xセッションの要素を中間層サーバへ分散してXディスプレイの持続、転送、共有を実現することによって、ユーザの生産性とコラボレーションを改善できます。最終的に、組織は、広い範囲にわたってアクセスを提供し、ユーザビリティを改善することで、UNIXベースの投資を最大限に活用することが可能になります。


多層アーキテクチャを提供するReflection Desktop for X

次世代のPC Xサーバ: Reflection Desktop for X

次世代PC XサーバであるReflection Desktop for Xは、現在のIT要件やビジネス要件に対応するために必要な機能を提供するため、UNIXアプリケーションの価値を継続的に引き出すことができます。

Reflection Desktop for Xは、従来の2層型のPC Xサーバ接続を実現すると同時に、これまで説明した分散アーキテクチャにも対応しています。Reflection Desktop for Xは3つのモジュールに分かれています。それぞれのモジュールには独自の役割があり、さまざまなプラットフォーム上で実行できます。

Xディスプレイ

Xディスプレイは、これまでデスクトップベースのPC Xサーバが果たしてきた役割を担います。ユーザインタフェースを生成し、Xクライアントアプリケーション用のユーザドリブンのイベントを送信します。また、中間層システム上で非表示モードで実行することもできます。中間層にXディスプレイの同期コピーを保持することで、セッションの持続(中断/再開や耐障害性のため)やセッションの転送などの機能を使用できます。

プロトコルルータ

プロトコルルータの役割は、クライアントコネクタ(以下を参照)とXディスプレイ間のエンドツーエンドの通信を管理することです。分散環境では、プロトコルルータは、UNIXサーバまたは中間層サーバに存在します。プロトコルルータとXディスプレイ/クライアントコネクタ間のデータ通信を圧縮して、長いネットワーク距離でも効率的な通信を可能にします。プロトコルルータは、ユーザ間のセッション共有をサポートするXディスプレイの複数の同時実行インスタンスや同期インスタンスを管理できます。

クライアントコネクタ

クライアントコネクタは、Xクライアントから着信した接続要求を受け入れ、Xクライアントから受け取ったXプロトコル要求をプロトコルルータへ転送します。また、Xプロトコルの返信、イベント、エラーを受信し、それらを適切なXクライアントへ転送します。このモジュールは、Xクライアントの接続をアクティブな状態にしておくことができるため、セッションを持続できます。プロトコルルータへXプロトコルを圧縮することもできます。

Reflection Desktop for Xでは、これまで説明したコアXサービスの機能を、プロトコルルータとクライアントコネクタの間に分散します。


この図は、Reflection Desktop for Xの機能、現在の環境に必要な新しいPC X サーバの機能への対応、各機能に推奨される設定を説明しています。Reflection Desktop for Xのさまざまな機能は、無駄を省いた、環境にやさしいコンピューティング環境を実現し、UNIXベースのアプリケーションの使用寿命を延ばすだけなく、高い生産性を引き出します。